【音楽業界の闇4】逃げられた女の話。
前回の【音楽業界の闇】シリーズでもお話しした通り、
自分が主催したイベントにアマチュアバンドを出演させ、
チケットノルマを課した上でリスクがほぼゼロの「お金儲け」を企てる人は数多くいます。
しかし、彼らの中でも失敗をし、赤字になってしまったケースも有ります。
今回は、リスクが極端に低いはずの「お金儲け」がなぜ失敗に終わったのか?
また、失敗をカバーするために利用されたであろう女性の話をしていきたいと思います。
まず、はじめに
そもそもチケットノルマを課した、「リスクの少ないお金儲け」とはどのようなシステムなのかをご紹介したいと思います。
- 会場を押さえる
- アマチュアバンドに出演を依頼する
- 各バンドにチケットノルマ(売り上げがノルマ以下の場合はバンドが不足分を支払う)を課す。
- 当日、運営はライブハウスに任せる。
- ライブ終了後、ノルマ不足分、またはノルマ以上のチケットが売れたバンドから追加で売れた分の数十パーセントを受け取る。
- ライブ後、会場レンタル代を支払い、残った金額が儲けになる。
このような仕組みです。
この仕組みはチケットノルマがある限り赤字になりません。
つまり、すべてのバンドが観客ゼロでも主催者は儲けが出ます。(会場費よりすべてのバンドのチケットノルマの方が高額な為)
共同の主催者
ここからが本題です。
私は、友人のライブに手伝いとして、リハーサルから会場に入りました。
会場には40代ぐらいの女性がいました。
どうやら今回のイベントの主催者(以下、主催者A)のようです。
挨拶をすると、今回のイベントの主催者はもう一人いるが、まだ来ていないとのこと。(以下、主催者B)
この時は特に不思議には思いませんでしたが、これが後に問題となるのです。
他の出演者は?
私は他の出演者が会場に入っていないことに気づきました。
リハーサル時間も終えて外に出ようという話をしている友人に聞いてみると、
「今日の出演者は自分達しかいないんだって」
といいます。
どうやら数組が出演予定だったらしいのですが、他の出演者が決まらなかったようです。
電話の嵐
ライブが始まる直前、私はライブより気になることが有りました。
それは主催者Bがまだ会場に現れないことです。
会場にいる主催者Aは何度も電話をかけています。
おそらく電話の相手は主催者Bでしょうが、なかなか繋がらないようです。
ライブ終了後の清算
ライブ終了後、お客さんを退出させた後、主催者Aはライブハウスの店長(?)と話していました。
主催者Aは「まだ主催者Bが来ていないので、会場のレンタル代の支払いは少し待ってもらえますか? もうすぐ来るみたいなんで…」と言っていましたが、
店長は「もう店を閉めないといけないので、あなたが全額お支払いください。 その後はそちらで話をしてください。」と表情が強張っていました。
ちなみに、最後まで主催者Bが会場に来ることはありませんでした。
今回の収支内訳
ザックリですが、予定では
- チケットノルマ¥2,000×15枚
- 出演バンド数6組
- 会場レンタル費は音響、照明込みで¥100,000
つまり、売り上げ2,000×15×6=¥180,000
支出¥100,000なので8万円の儲けです。
しかし今回は出演者1組しかいません。
さすがに約束のノルマを増やすことはできませんから、
- チケットノルマ¥2,000×15枚
- 出演バンド数1組
- 会場レンタル費は音響、照明込みで¥100,000
つまり、売り上げ2,000×15×1=¥30,000
支出¥100,000なので7万円の赤字になってしまいました。
主催者Bはなぜ来なかったのか?
このチケットノルマを課すお金儲けは出演者がいないと成り立ちません。
つまり、会場に来なかった主催者Bは赤字になることが分かっていたのです。
そう、逃げたのです(笑)
もしかしたら共同の主催者がいたのはリスクを丸投げにするためかもしれません。
最後に
いくらリスクが低いと言っても出演者がいなければ話になりません。
どういった経緯で共同の主催者になったかは定かではありませんが、
私の予想通り、バンドからチケットノルマで「お金儲け」を企て、赤字を共同の主催者に負担させたのならクズ同然です。
ちなみに、会場にいた主催者Aは「私は音楽の事は分からないが、若いアマチュアミュージシャンを応援するためにイベントを開催した」と言っていました。
(イベントと言っても通常のブッキングライブのようなお粗末なイベント)
もしかしたら、「ほとんどリスクなしで儲かりますよ」とか言われ、知識が無いからこそ利用されたのかもしれません…。
怖い、怖い。