エオリアン(Aeolian)
今回はエオリアンのご紹介です。
いつものごとく、「モードとしてのエオリアン」と「調性内のコードスケールとしてのエオリアン」の2つの観点からのご紹介をさせていただきます。
エオリアンとは
エオリアンはメジャースケールの第6音から並べたものです。
「メジャースケールの第6音から並べたもの」ってどこかで聞いたことが有りませんか?
そう、ナチュラルマイナスケールと同じなんです。
つまりナチュラルマイナースケール=エオリアンなんです。
エオリアンと言われると聞き馴染みが有りませんが、マイナースケールと言われるとなんだか安心感すらありますね。
度数表示
エオリアンを度数で表すと以下のようになります。
ナチュラルマイナースケールはメジャースケールの3度、6度、7度が半音下がったものでしたよね。
もちろんエオリアンも同じです。
完全1度(ド)
長2度(レ)
短3度(ミ♭)
完全4度(ファ)
完全5度(ソ)
短6度(ラ♭)
短7度(シ♭)
ナチュラルマイナースケールの事を知っていればわざわざ覚える必要もないので楽ですね。
※()内はCエオリアンの構成音
特性音
では、モードとして見たエオリアンの特性音をご紹介します。
エオリアンの特性音は「短6度」です。
これはドリアンとの区別をするための重要な音で、唯一違う音です。
ちなみにドリアンの6度は「長6度」です。
アボイドノート
では、次に「調性内のコードスケールから見たエオリアン」についてです。
エオリアンは、「Ⅵm7」の時に使われるコードスケールで、アボイドノートは「♭13th(短6度)」です。
この「♭13th」は「コードトーンの5度」と「短9度」の関係になり、不協和音度が高いという理由からコードトーンともテンションとも扱えない音となります。
最後に
いつものごとくモードの雰囲気を掴む練習法をご紹介いたします。
伴奏を「Am7」のコード1つにして、主音の「ラ」と特性音の「ファ」を中心にアドリブをします。
Aエオリアンの構成音は「ラシドレミファソ」です。 アドリブはこれらの音を使います。
これに慣れてきたら他のマイナー系のモードと入れ替えながら練習するのも良いと思います。
例)伴奏は「Am7」のコード1つ。 「Aエオリアン」と「Aドリアン」を4小節ずつ入れ替えてアドリブ演奏をする。
先ほどもご紹介したように、「エオリアン」と「ドリアン」の違いは6度だけですから、エオリアンの「短6度」を半音上げて「長6度」で演奏すればいいのです。
ちなみに、Aドリアンの構成音は「ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ#、ソ」です。
ギター向けのアドバイスになりますが、まずは自分がソロを弾きやすい1オクターブのポディションを決めてください。 そこで「エオリアン」と「ドリアン」の両方のポディションの形と主音の位置、特性音の位置を覚えます。
また、余裕があれば他の音もルートに対して何度の音なのかを1つ1つ意識して覚えます。
これを何度も繰り返しているうちにおのずといろいろなスケールを覚えることが出来るようになります。
全て覚えて演奏できるようになるには時間がかかりますが、それだけの価値はあるので是非やってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。