モード(チャーチモード)
今回はモードについてご紹介していきたいと思います。
ただ… 理論上の考え方は簡単なのですが、それを実際に使うという事は奥深い話になってきます。
まずは最後まで読んでいただき今後の音楽生活に役立てていただければ幸いです。
モードとは?
ザックリ言うと「民族音楽もモードである」と言えます。
むかし、むかし、調性音楽が生まれ、進化し、ある時に進化の限界を迎えました。
そして、進化した複雑な音楽に対するものとして再び「モード」が注目され始めたのです。
これはジャズの世界でも同じようなことが起きました。 複雑なコード進行の「ビバップスタイル」が生まれ始め、それに対するものとして再び「モード」に注目がされたのです。
民族音楽も「モード」と言いましたが、今回ご紹介するのは西洋中世の「チャーチモード」をさらに単純化したもので、民族音楽ほど難しくはないものです。
7つのモード
メジャースケールを第6音から並べ直した形がマイナースケールだったように、同じ要領で7つのモードを作ることが出来ます。
つまり、メジャースケールの各音から並べ替えた物が7つのモードになるという事です。
【7つのモード】
- アイオニアン
- ドリアン
- フリジアン
- リディアン
- ミクソリディアン
- エオリアン
- ロクリアン
これらの名前の頭に第1音名を付けて呼びます。
例) Cアイオニアン、Gアイオニアン など。
何を目的とするか?
そもそも「難しくなりすぎた調性音楽」に対する「モード」なので調性感を出さないことが1つのポイントです。
例えば、Eフリジアンのモードでは構成音こそCメジャースケールと同じですが、Cメジャースケール感を出さないようにしなくてはいけません。
調性音楽は主音に落ち着こう(戻ろう)とします。 それは「導音」と「増4度」が深く関係しています。 その為、調性音楽との差別化を図る「モード」は「導音」「増4度」を避けなければいけません。
その為、進行感や色彩感は薄くなり、それが「モード」の特徴とも言えます。
メジャー系、マイナー系のモード
モードはそれぞれ雰囲気が違うのですが、大きく分けると「メジャー系」と「マイナー系」の2種類になります。
【メジャー系モード】
- アイオニアン
- リディアン
- ミクソリディアン
【マイナー系モード】
- ドリアン
- フリジアン
- エオリアン
- ロクリアン
これらは第3音が「長3度」か「短3度」かで分けられています。
各モードには特性音、機能がある
「特性音」とは同じ系統の中でモードを識別する音です。 つまり、各モードの特徴と言える音です。 (各モードの特性音に関しては別のページでご紹介します。)
また、機能もあります。メジャーダイアトニックコードと同様に3度堆積で和音を作るのですが、結果メジャーダイアトニックコードの並べ替えになります。(構成音が同じで始まりの音が違うだけなので。)
ただし、調性感を出さないためにも機能に対する分類方法が違います。
機能は「トニック」「1類(プライマリーコード)」「2類(セコンダリーコード)」の3種類に分けられています。
これは先ほど話した特性音を基準に考えます。
【トニック】
- 主和音 つまり第1音を主音としたコード
【1類(プライマリーコード)】
- 特性音をトライアド(1,3,5度)に含む7th系コード
【2類(セコンダリーコード)】
- 主和音、1類、減和音(m7(♭5)やdim)を除いたもの。
このようなルールで分けられています。
最後に
各モードの特性音や機能は別のページでご紹介をしようと思います。
「モード」は実際に演奏して感覚を身に着けることが必要です。 理論的な演奏をしても良いのですが、各モードはどのようなイメージがあるのかを知らないと演奏しているうちに調性内の音楽に戻りやすくなります。
特にアドリブは癖で演奏する部分も多いと思うので気づくと調性音楽に戻っているなんてことも少なくありません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。