アイオニアン (Ionian)
今回はアイオニアンについてご紹介をしていきたいと思います。
ですが、その前に「モード」と「コードスケール」の違いはご存知ですか?
念のため、ザックリとおさらいをしますが、同じアイオニアンでもモードとしてのアイオニアンなのか、コードスケールとしてのアイオニアンなのかで重要な音の考え方が違います。
- モードで重要な音は「特性音」です。 特性音は、そのモードの特徴の音で「使用頻度が高い音」です。
- コードスケールの中で重要な音は「アボイドノート」です。 アボイドノートはコードの機能を変えてしまったり、不協和音度が高いため「使わない方がいい音」として扱われます。
(詳しくはモードとコードスケールの違いをご覧ください。)
では、前置きが長くなりましたが、アイオニアンのご紹介を始めていきたいと思います。
アイオニアンとは?
アイオニアンはメジャースケールの第1音から並べた形です。 つまり、メジャースケールそのものです。
Cメジャースケール=Cアイオニアン。 Dメジャースケール=Dアイオニアン… という具合です。
非常に簡単で分かりやすいですね。
特性音
まずはモードの観点からお話させていただきます。
アイオニアンの特性音は第4音の「完全4度」です。 つまり、Cアイオニアンなら「ファ」が特性音になります。
なぜこの音が特性音なのかと言うと、同じメジャー系のモードで「リディアン」というものがあるのですが、このリディアンとの違いが第4音だけなのです。
下の画像をご覧ください。
この画像からわかるように、第4音以外は全く同じ音です。
ちなみに、アイオニアンの第4音は「完全4度」ですが、リディアンの第4音は「増4度」です。
この第4音がアイオニアンとリディアンを区別する重要な音となり、この音が出てこないとアイオニアンなのかリディアンなのか分かりません。 (※コード進行から区別することもできるが、それは置いといて…。)
アボイドノート
次はコードスケールの観点からのお話です。
アイオニアンのアボイドノートも第4音の「完全4度」です。
Key:C の「CM7」で使われる「Cアイオニアン」を例にすると、「CM7 の 3度(ミ)」と「Cアイオニアンの第4音(ファ)」が半音の関係になり、不協和音が強く出てしまいます。
そのため、コードトーンでもなく、テンションとしても使えないことから、アボイドノートに分類されます。
モードではこの「完全4度」が使うべき音として重要な音となりましたが、調性内の曲ではあまり使わない方がいい音という意味で重要な音となります。
調性内の曲(あるKeyを基準に作られた曲)ではアイオニアンを演奏する時は第4音を多用したり長い音で使う事を避けた方が良いでしょう。
アイオニアンらしさって?
正直なところ、アイオニアン=メジャースケールなので、どうしても調性感が付きまといます。
もちろん特性音を強調すればアイオニアンらしさが無いわけではないのですが、他のモードと比べるとモード感は薄いと言えます。
おそらくですが、現代音楽では「この曲はアイオニアンらしさが良く出ている」と言い切れるものを見つけるのは困難だと思います。
最後に
アイオニアンに関しては「特性音」も「アボイドノート」も同じ音でした。 特性音は使うべき音だし、アボイドノートは多用を避けるべき音だし、結局使っていいのか悪いのか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
正直なところ、演奏する曲によって違うとしか言い切れないのですが、迷ったときは両方試して良い方を選ぶのが良策だと思います。
ギターソロなんかだと試してるうちに味のあるソロになったり、雰囲気を壊すソロになったりします。(笑)
これは勉強であり、経験になるので是非いろいろ試してみてください。
今回いろいろ言いましたが、メジャースケール=アイオニアンなので、あまり深く考えないのも手かもしれません。
アイオニアンは第4音が「モードとして見れば特性音、コードスケールとして見ればアボイドノート」。 これを頭の片隅に置いておけばオッケーです。
他のモード、コードスケールを見ていくうちにだんだんと理解が深まるかと思います。
ここで、混乱してしまう方も多いですが、わからないときは一旦諦めてまたいつか読み直すと理解できる時が来るかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。