モードとコードスケールの違い
モード、コードスケールのページで
- アイオニアン
- ドリアン
- フリジアン
- リディアン
- ミクソリディアン
- エオリアン
- ロクリアン
というワードのご紹介をしました。
これらは名前、構成音こそ同じですが、「モード」として見るか、「Keyの中のスケール」(以下、スケール)として見るかで違いがあります。
そもそもモードは調性感を出さないようにするべきもので、Keyの中のスケールは主音に戻る(調性感を出す)ように出来ています。
その為、重要視する音の理由が真逆になります。
重要な音とは
では、モードとスケールの重要な音についておさらいしましょう。
【モード】
- モードでは、調性感(Key)に収まらず、そのモードらしさを出すために「特性音」が重要な音となる。
- 特性音とは他のモードとの違いを表す音で比較的に多用すべき音。
【スケール】
- 調性感(Key)を失わないために「アボイドノート」が重要な音となる。
- アボイドノートとは、コードの役割を変えてしまう為、比較的に長く、または多用を避けるべき音。
※詳しい特性音、アボイドノートのご紹介は別のページで行います。
実際の例
まず、図をご覧ください。 これはDドリアンです。
例えば、Key:C でコードDm7があったとします。
ここで使われているスケールは「Cメジャースケール」が基準となりますが、コードがDm7 なので「Dドリアンスケール」(Cメジャースケールの転回)です。
ここで重要なのはアボイドノートです。
Key:C のDm7はⅡm7 なので、アボイドノートは13th(長6度)です。
つまり、調性感やコードの役割を壊さないために長6度の多用は避けるべきという事になります。
しかし、モードして考えてみると、コードDm7でDドリアン演奏する場合、特性音は「長6度」となります。 つまり、ドリアンの特徴ともいえる「長6度」の音を使わないとドリアンらしさが出ないのです。
これらの事から重要な音が同じでも状況や認識の違いで逆の意味になることが分かります。
全てのスケールで言えることではありませんが、特性音=アボイドノートとなることが有りますので時には選択が必要です。
最後に
どうしても呼び名が一緒なのでこれらの事がごちゃ混ぜになっていることが有ります。
モードで演奏したくてもアボイドノートは出してはいけないという認識の方もいますし、ポップスでもモード感を出したがる人もいます。
音楽は文化なので人それぞれで良いのですが、状況に応じた演奏を心がけられるようになることが重要です。
今回は理由が完全に理解できなくても構いません。 おそらく記事を読んだだけでは内容が分かりにくいかと思います。
ただ、冒頭でご紹介した7つのスケールは「モード」としてみるか、「スケール」としてみるかで内容に少しの違いがあることを覚えておいてください。
結局のところ、音の響きや雰囲気を体感して頂かないとなかなか違いが身につきません。
もし機会があれば、バンドで1つコードを選び、演奏してみてください。 簡単なのは今回ご紹介したようにコードをDm7にして主音の「レ」と特性音の「シ」の2つの音でアドリブをすることです。
2つしか音がないので面白くないかもしれませんがドリアンの雰囲気は非常につかみやすいと思います。 また、そこから少しずつ音を増やしていくと雰囲気を壊さない演奏を感覚的に身につけることもできます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。